#03 MEKONG
Mekongはチベットから中国、東南アジアを
流れる大河。大河から枝分かれして、
東南アジアのあちこちにメコンの支流があります。
東南アジアでのメコン河は紅土を侵食している
雄大な土色の濁流で、大地がゆっくりと動いているよう。
河の認識を超えた風景を
今回のテーマのタイトルにしました。
メコン河周辺の国の中でも数多くの少数民族が
それぞれ様式の異なる生活をしているのがラオスです。
ルアンプラバーンを中心にして、
北部のいくつかの村を訪れました。
メコン河を小さな船で下り(上り)、川辺から
道でないようなジャングルの中の小径。
丸太のかけてある小さな川。尖った山。突然と開ける大地。
雲がすぐそこにあり、天と地がつながっている熱帯の山。
何時間もかけて行くと、いくつかの村に行きあたります。
コットンビレッジはいくつかの場所にあります。
高床式の竹でできた民家の集落。
村にはおばあさんたちがコットンの織物に
携わっており、シャーマンのような役割の
体中に刺青のあるおじいさんが村に1-2人、
あとは子供だけです。
地面には機織り機が何台かあり、
おばあさんたちの仕事場であると同時に
子供達の遊び場でもあります。
おばあさんたちはコットンの種を
植えるところから始め、綿花が終わる頃に
その種の周りの綿毛を摘み、それを糸に。
次にその場にある天然の草、花、土で
草木染められた糸はメコン川でゆすがれます。
そして織りに。全ての過程が手作業で行われます。
手織りの布の粗さと温かさ、全てが馴染む自然の色。
生地といえば工場から出てくるイメージしか
持っていなかったので、布ができる全過程を、
初めてこんな小さな集落で見て、感動を受けました。